ちらほらと、法令集の線引きの話題が聞こえてくる今日この頃、
来年度の試験を独学で突破したい方向けにおすすめしたい参考書類を紹介します。
筆者は令和3年と令和4年の学科試験を独学で受験しています。
時間はかかったものの、いわゆる資格学校の力を借りずに学科試験に合格することができました。
この記事でわかること
- 一級建築士学科試験の独学方法
- 独学に役立つ参考書
より概要的なことや、独学者の心構えについて知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
参考書を使用した時期
独学での勉強の流れを確認しながら、どの時期にどんな参考書を使っていたか紹介したいと思います。
最新版 一級建築士試験独学方法
STEP1では、テキストを軸に、適宜参考書を追加で補助的に使っていました。
この時期は「一級建築士ってこんな勉強が必要なのか」と知っていく感じです。
私は、テキストとしてスピード学習帳、補助教材として、法規のウラ指導、一級建築士合格構造力学、イラスト建築生産入門使っていました。
STEP2とSTEP3では、過去問に挑戦します。まずは15年分解きましょう。
過去問は何でも良いですが、とりあえず7年分収録されているものを購入し、メルカリか過去問を公開しているサイトであとの分を手に入れるのがコスパが良いかと思います。
STEP5は模試の話なので、この記事では割愛します。
STEP6では、合格に必要な知識を忘れないようにします。短時間で良いので、毎日コツコツ勉強しましょう。
この時期に活躍するのが、スタディングと一級建築士アプリです。通勤時間がそのまま勉強時間になります。
次章からは、今紹介した参考書類を教科ごとに詳しく解説していきます。
全教科
ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳(STEP1)
勉強を始めて最初に使いました。
どんな教科があって、どんな部分が難しく感じるのか把握するのに役立ちました。
1冊で全ての教科の内容をざっくり網羅しています。
章ごとに2-3ページで解説、さらに1-2ページで該当分野の過去問といった構成になっているので、勉強計画が立てやすいです。
私の場合、1日に各教科1章ずつ進めました。ずっと同じ教科ばかり進めても飽きてしまいそうだったためです。
各教科20-30章あるので、大体1ヶ月で終わらせるという計画でした。概ね予定通りに無理なく出来ました。
1周したら、あとは苦手分野の復習のために戻ってくる程度で、あまり使用頻度は高くなかったです。
過去問題集チャレンジ7(STEP2)
テキストでひと通りの内容を確認した後から使い始めました。
使い方は特筆することはありません。とにかく解いてきちんと採点するだけ。
ひとつ思ったのは、最新年度の問題は直前まで残しておいたほうが良かったということです。
直前になると、全ての問題を解ききってしまって、模試もなくて、自分の実力を確認する術がなくなってしまいます。
私も実際そうで、本当に自分に実力があるのか分からず少し不安な直前期を過ごしました。
その時期に残しておいた最新年度の問題を解けると、少し安心出来たのかなと思います。
直前に新しい問題とか解きたくないなという人は、残さず解いてしまって良いと思います。
法規
建築基準関係法令集 2023年度版(STEP1)
これは必ず買っておかなければならない物です。
一級建築士試験を受けようと思ったら、まず法令集と過去問は必須となります。
購入する際に、一級建築士試験の試験会場に持ち込み可能なものであるかどうかを良く確認しましょう。
以下の条件に当てはまるものが、持ち込める法令集です。
条件1.条文等の順序の入替及び関連条文等の挿入を行っていないこと(条文等の省略は認められる)。
建築技術教育普及センター
条件2.次に掲げる簡単な書込み及び印刷以外に解説等を付していないこと。
イ.目次、見出し及び関連法令・条文等の指示(法令、章、節、条等の名称、番号及び掲載ページを限度とする)
ロ.改正年月日
ハ.アンダーライン(二重線、囲み枠含む)
ニ.○、△、×の記号
【建築士試験の「学科の試験」において使用が認められる法令集について】
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/notes_on_the_day.files/horeishu-1k-2021.pdf
法令集は、緑本、オレンジ本など様々な種類がありますが、正直好みで選んで良いです。
個人的なおすすめはTACが出している青本です。
建築基準法・令・規則と建築士法などが掲載されている部分と、その他関連法規の部分を分けることが出来るので、ページをめくりやすいです。
また、見出しや法令番号はゴシック体、本文は明朝体で書かれているため、パッと見て法令を見つけやすいです。
さらに、関連法規や本文中に出てきた法令に飛びやすいようにページ番号とその概要が書かれています。これが本当に使いやすかったです。
また、TACの法令集は、TACのホームページ上で線引きの方法が紹介されています。
そのやり方が私には結構合っていました。ひと目で重要な部分や除外項目が分かるようになります。
参考までに、私の法令集の写真を挙げておきます。
一級建築士合格戦略 法規のウラ指導(STEP1)
法規については、スピード学習帳のみでは細かく法令を理解するのが難しく感じたので、ウラ指導の参考書を追加で勉強していました。
正直、この本がなかったら、法規で27点も取れなかったと思います。
分野ごとに細かく章分けがされ、それぞれの過去問について細かく根拠となる法令が解説されています。
この本の使用方法は、以下のような流れでした。
- 解説を読む
- 該当の法令を法令集で引く
- TACの線引きを見ながら該当の法令を線引きする
- もう一度解説を読む
この作業を、1回の勉強で1章終わるまで繰り返していました。
また、スピード学習帳の勉強進度とリンクさせて進めるようにしていました。
構造
解き方を覚えて弱点克服! 一級建築士合格 構造力学(STEP1)
学生時代、1番苦手な教科が構造計算だったので、苦手を補うためにこの本を使いました。
この本の良いところは、
- 解説を読んで理解する
- 例題を見て解き方を覚える
- 実際に解いてみる
といったように、無理なくステップアップ出来る構成になっているところです。
構造苦手な私でも問題なく解き進めることが出来ました。
また、出題される例題は試験のヤマをばっちり当てていて、本番の試験でも全問解くことが出来ました。
使い方としては、他の参考書の分量が少なくて余裕のある日に1章ずつ進めていました。
また、模試の後に解けなかった問題の類題をこの参考書から探して再度解いていました。
施工
施工がわかるイラスト建築生産入門(STEP1)
施工は、とにかく用語が分からず、問題文で建物のどの部分のことを言っているのかが分かっていませんでした。
図解で施工について勉強したかったので、この本を購入しました。
メルカリを検索してみると、丁寧に全ページ分解した物があり、それを購入しました。
分解されているので楽に綺麗にスキャン出来ました。
問題を解いていて、気になったときにすぐ辞書的に使いたかったので、全てのページをスキャンして、iPhoneやiPadで使えるようにしていました。
また、苦手な部分は、スキャンした本の該当ページをスクショして、まとめノートに貼り付けて書き込みをして勉強していました。
デジタル参考書・問題集
スタディング 一級建築士講座(STEP1/STEP6)
スタディングでは、アプリで分野ごとに映像講座の解説を視聴することが出来るうえ、過去問に挑戦できるようになっています。そのため、スマホ一台あればインプットもアウトプットも出来てしまいます。
私の場合は、STEP1の段階(令和3年の11月くらい)に動画をみてインプットをしつつ、練習問題を解いていました。
STEP6の段階(令和4年の5月~7月くらい)には、とにかく問題をスマホで解いて忘れないようにしていました。
スマホがあれば、すぐに勉強を開始できるので、通勤時など、大きく参考書を広げられないけど時間があって勉強したいシーンで大いに役立ちました。
特に社会人になってからは、時間の捻出が難しくなっていたので、通勤時間を勉強時間にできるスタディングに助けられました。
価格は99000円と参考書と比べてしまうと高めですが、資格学校に通うことを思えば非常にリーズナブルなサービスだと思います。
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一級建築士 受験対策
スタディングの問題を覚えてしまってからは、この一級建築士受験対策を使っていました。
こちらもスマホがあればすぐに勉強を開始できる優れものです。
UIがシンプルなつくりなので、サクサクと操作できます。
また、間違えた問題のみ絞り込んで出題する機能もあるので、苦手を確認するのに非常に役立ちました。
さらにうれしいのが、価格がリーズナブルな点です。
アプリ内課金1200円さえ払ってしまえば、あとは無料で新年度の問題の更新もできるので、いつでも最新の問題に挑戦できます。
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効果的に参考書を選んで独学による突破を目指そう
いろいろと紹介しましたが、あくまで実際に一級建築士の学科試験を受験した個人の感想です。
私とは勉強の仕方が異なる方ももちろん多くいらっしゃると思います。
あくまで一例として見てもらえると嬉しいです。
ここで紹介した参考書以外にも優れた参考書はたくさんありますし、有力な情報を発信されている方もたくさんいらっしゃいます。
自分に正直に、「わかりやすい」「取り組みやすい」ものを選んで、自分を追い込みすぎずに勉強するのが一番なのではと思います。
最後に、この記事で紹介した書籍をまとめておきます。
おすすめのデジタルサービスまとめ
この記事が、少しでも参考になったらうれしいです。
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