筆者は、22卒として、去年の冬から今年の春にかけて就職活動をしていました。
(それもあって暫くこのサイトを動かせていなかったのですが…)
結果、某大手設計事務所から内定を頂くことが出来ました。
同じように建築学生で設計事務所を目指す方に少しでも役立つ情報を共有できたらと思い、経験をまとめることにしました!
今回は、就職活動をする上で避けて通れない、ES(エントリーシート)を書くときに気をつけたことについて紹介します。
この記事でわかること
- ESを書く際の注意事項
- 建築学生がESで周囲と差をつけるためにやるべきこと
建築系に限らず注意すべきこと
1. 企業がどのような人材を欲しているか分析すること
ESを書くときに、何よりも先に確認すべきことです。
ここでは、分析方法の一例を紹介します。
企業分析の方法
まずはそれを足掛かりにして自己PRを考えていきます。
例えば、限られた時間の中で成果を達成するスキルを持つ人材を求めている企業に応募するとします。
そのような企業に対して、「おおらかさ」であったり、「マイペースさ」をアピールしても効果は少ないと考えられます。
限られた時間の中で成果を得るには、取捨選択する「判断力」であったり、時間を無駄にせず仕事を遂行する「計画性」の方がその企業にとって魅力的に写るでしょう。
割とマイペースだと言われるけれども、判断力はあるなどと自己分析出来ていた場合、
例の企業に応募するには「判断力」のほうをより推して文章を作成すべきと解ります。
その出来事を、そのまま「学生時代に力をいれたこと(ガクチカ)」に応用することができます。
以上の流れで、なんとなく自己PRとガクチカの骨組みが出来てくると思います。
この段階では、箇条書きでも稚拙な文体でも何でも構いません。
とりあえず思いついたことを余すことなく書き出すのが良いです。
2. 結論ファーストで書くこと
骨組みを書き出すことが出来たら、文章を整えていきましょう。
鉄板ですが、やはり結論を初めに書くことは重要です。採用担当者は、たくさんのESを読まなければなりません。
最初の文章で何を伝えたいのか分からないと、それだけで最後まで読まずに落とされてしまうかも知れません。
特に、ガクチカを書くときは、時系列に背景や出来事を述べていきたくなりますが、何よりもまず結論です。
初めに、その出来事によって何を得たのか、学んだのかを端的に述べるようにしましょう。
3. 書いたものを一度印刷して、自分で添削すること
結論ファーストな文章を書き上げることができたら、一度文章を書いたファイルを印刷しましょう。
印刷が難しければPDFのような閲覧に適した形式のファイル形式に書き出しましょう。
この作業によって、自分の書いた文章を、文章を読む人の立場に立って読みやすくなります。
客観的な立場で文章を読むと、書いていた時には気にならなかった言葉遣いの粗や誤字脱字に気がつくようになります。
印刷した紙に気が付いたことを書き込んでおき、再度、ワードなどの編集ファイルを開きます。
そこで誤字脱字の修正や表現の推敲をします。
出来るのならば、この自己添削作業を2〜3回繰り返すと良いです。
4. 十分に自己添削したうえでOBOGに添削してもらうこと
十分に自己添削が出来たら、受ける予定の企業で働く先輩に添削してもらいましょう。
受験予定の企業に先輩が居ないのならば、他の企業に勤めている先輩でも、研究室の先輩でも、先生でも、頼みやすい目上の人に見てもらいましょう。
ある程度の経験をした第三者の意見はかなり参考になります。
自分とは異なる視点で見るので、自分では気が付かなかった欠点が見つかると思います。
実際に、筆者は本選考に進んだ全ての企業について、それぞれメンターとなる先輩を捕まえてESを見てもらっていました。
やはり見てもらって良かったと思っています。
先輩方は選考を経験しているので、指摘が的確でした。
伝わりやすい文章の書き方やウケの良い話題など細かく指導していただきました。
特に建築学生が気をつけたいこと
1. 受ける企業が設計した建物を調べておくこと
建築学生が受けるであろう、設計事務所やゼネコンでは、しばしば自社の関わった建築物について質問をしてきます。
特に多い質問として、「感銘を受けた建築物、都市、プロジェクトは何ですか」などが挙げられます。
別に指定されているわけではありませんが、受験予定の企業が設計あるいは施工した建築物を題材にするのが安牌です。
恐らく、各企業にひとつくらいは興味のある建築物が見つかると思います(もし無いようならその企業は受けなくても良いかも…)。その建物について徹底的に調べましょう。
まずはネットで基本情報を調べます。次にその建物が掲載されている建築雑誌を調べます。建築雑誌には、図面はもちろんですが、設計者や施工者の書いた文章が載っていることが多いので、非常に参考になります。
大体の大学では、学内の図書館で建築雑誌バックナンバーを借りることが出来ると思います。
それが出来ない場合は、都立図書館など公的な図書館を利用するのが良いでしょう。
また、最近では新建築オンラインなどのサービスも充実してきているようです。
活用出来るものはどんどん使っていきましょう。
2. 調べた建築物のなかで、特に感銘を受けたものは直接見に行くこと
建築物について調べることができたら、実際に見に行くことが出来るとなお良いでしょう。
ネットや建築雑誌で読んだだけと比べると、格段にその建築物についての解像度が高まります。
どのような場所に建っているのか、駅から歩いてどれくらいに位置にあるのか、隣の建物との距離感はどうなのか…など、実感を持って理解することができるようになります。
設計課題などで題材の建築物を見に行くのと同じですね。
こうして、実感を持つことが出来ると、面接など緊張した場面で建築物についての質問をされた時に、咄嗟に言葉が出てくるようになります。
一見、面倒だと思うことでも必ず役に立つ場面は現れるので、出来るだけ準備を重ねておくと良いでしょう。
3. 見に行った建築物について語れるようになること
建築物を見に行ったら、実際に見て感じたことを書き留めておきましょう。
そして、建築物に対する意見や感想、自分の考え方などをきちんと言語化しておきましょう。
この作業で作成した文章は、どの建築雑誌の文言の真似ではなく、自分自身の文章になっていると思います。
面接官や採用担当者は、恐らくそのような文章が読みたくて、建築物について質問をしているのだろうと思います。ここまで出来れば完璧です。
まとめ
今回は、自分の経験を参考にしながら、ESの書き方について解説しました。
建築学生に限らず気をつけることは以下の4つです。
- 企業がどのような人材を欲しているか分析すること
- 結論ファーストで書くこと
- 書いたものを一度印刷して、自分で添削すること
- 十分に自己添削したうえでOBOGに添削してもらうこと
特に建築学生が気をつけたいことは以下の3つです。
- 受ける企業が設計した建物を調べておくこと
- 調べた建築物のなかで、特に感銘を受けたものは直接見に行くこと
- 見に行った建築物について語れるようになること
少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
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